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施工事例

バルコニーリフレッシュ工事(FRP改修工事)

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 築17年のバルコニーリフレッシュ工事です。

 既存の防水層がFRPであったので、同じ素材でのFRP改修工事になります。

 お施主さんの意向としては、17年メンテンナンスをしてかなかったことで、バルコニー全体の色褪せも含めた劣化、拡大した写真で見て取れる細かいひび割れが気になり、これから先の雨漏りは大丈夫なのかと心配になり工事依頼を受けました。

今回の細かいひび割れはトップコートにのみ起こっており、その下の防水層に影響はありませんでした。

 私の考察としては、新築施工当時、施工にあたった職人さんが硬貨を早めるために酸化促進剤の多めの添加と厚めにトップコートを塗布し熱を帯びたことで、経年劣化も手伝い細かいひび割れを起こしたものと推測されます。

 何はともあれ、防水下地の突き付け面の動きにより防水層にクラックが生じ、雨漏りを引き起こす原因のひび割れではありませんでした。

着工前の様子です。

サンディング、一番大事な工程です。

FRPの防水層の劣化を遅延させるためにトップコートを塗ります。トップコート自体にはさして防水機能はありませんが、劣化を早める紫外線や、歩行や外部からの衝撃による摩耗から防水層を守り、積層面を平滑に仕上げることでより平滑な美観を向上させる役割をします。

FRPは適切な処理を行えば何年経っても積層可能な素材です。新たに積層しても既存の防水層と密着しますし、密着してくれることでさらに強度も上がります。でも、困ったことにトップコートの中には「パラフィン」と云う「ろうそく」の原料になる成分が入っています。(どうして入っているのかと説明を始めてしまうと、とてもとても長くなっていしまうので(笑)今回は割愛させていただきます。)知っての通りろうそくはツルツルして滑りますし、水も弾きます。故に既存のFRPと新たなFRPを密着させるうえでとても邪魔な存在です。なので、そんな邪魔な成分を含んでいるトップコートは削り取ってしまわないといけません 今回、既存のトップコートはグレー(色)です。本来ならグレーがなくなるまで削らないといけなのですが、削っていく中で下地の凹凸により防水層の膜厚に濃淡あった時、防水層を下地まで削ってしまう懸念もあります。もしそうなってしまえば雨漏りしてないものを、雨漏りさせてしまう。云うなればミイラ取りがミイラになってしまいます。(笑) と云う事で、最低限ここまで削りました。

 

サンディングの次に大事なアセトン脱脂作業工程です。

作業工程上「脱脂」というのが通例ではありますが、FRPにおいてサンディング後、研磨によって発生する微細な粉塵は出るものの油分が出ることはないので、厳密にいえば「膨潤」ということになります。微細な粉塵の除去も含め適切な処理を行うことで密着性を向上させることができます。

膨潤とは、固体が液体を吸収して体積が増加する現象のことをいいます。メカニズムとしては、液体が固体内部の分子間に浸入し、分子間の距離を広げることで起こります。身近なところで例えるなら、ゴムのパッキンが、溶剤や油分を吸収して膨らむ状態です。目にしたことがあるかと思います。 FRPにおいてアセトンによる膨潤は、限度を超えると密着性の低下、場合によっては劣化の可能性がありますので、適切に処理してあげることが重要になります。

 

ライニング工程です。

♯450のガラスマットを1PLY貼りました。

中塗り工程です。

中塗りを施すことで、ガラスマットの凹凸を目立たなくし、表面を滑らかにすることで、より美しい仕上がりを得ることができ、トップコートが剥がれても、下地の防水層が露出するのを防ぎ、そこからの漏水の可能性を低減できます。防水層全体の耐久性を向上させます。

 

写真のようにガラスマットが毛羽立ったまま固まってしまったところは、触れば切れて怪我に繋がります。サンディングで除去します。

 

サンディング工程です。

より表面を滑らかにします。

 

トップコート塗布完了です。

奇麗になりました。♪

 

最後に、雨漏りで困っているはもちろんですが、これから先の雨漏りの心配、雨漏りまではしていないけどなんだか天井がカビている、壁が少し濡れている、もしくは、湿気てなんだか柔らかい、カビている等々お困りごとがございましたら、お気軽に相談してください。

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