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防食工事?┐⁠(⁠ ̄⁠▽⁠⁠ ̄⁠)⁠┌

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個人事業主として独立する前に勤めていた会社と
協力関係にあった会社に法人成りの挨拶に最近伺った時のことです。

最近どうだこうだと世間話をしている際
『防食ライニングとは?』と質問を投げかけられました。
聞けば、塗装屋さんが請けたFRP防食工事のお手伝いをした時の事、
未だにあれで良かったのか?と多々疑問が残ってるとの事でした。
尋ねた事等々箇条書きし、自身の考察と意見を書いていきます。

①コンクリート造のピットでの防食施工と云う事でしたので、作業中の送風機の有無とライニングの硬化を尋ねたところ、送風機は無く、普通に硬化したとの回答

a∶そこから考えられるのはコンクリート造のピットは天井のあるキューブ形ではなく枡形であり、使った材料はポリエステル樹脂だと想像がつきます。と云うのは
FRP樹脂は酸化硬化です。ポリエステル樹脂は密閉されていなければ比較的送風してあげなくても硬化します。
一方でビニルエステル樹脂は密閉されていなくても、立ち上がりの高さが数十センチあり空気の流れがなければ、硬化の際に発生するガスが充満することで樹脂が酸素との接点を失い、時としていつまでたっても硬化しない事があるからです。
また、ポリエステル樹脂を使ったことから、防食といってもpH値11以上の強アルカリやpH値3以下の強酸性の物を扱う槽の防食ではなく、pH値7〜4までの酸性物を扱う為にコンクリートの強度を保つための防食工事だと察しが付きます。
と云うよりそうであって欲しいです。

②上記 aを考察している最中『樹脂を塗ったままで良いのですか?』と質問を投げかけられました。
おいおい何を言っているのだろう…と感じつつ
樹脂を塗った(以降、含浸とする)だけなのか尋ねてみると
そもそも仕事を請け負った方は塗装屋さんで、FRPを触るのは初めて、そこで少なからず経験のある挨拶に伺った会社に応援を頼んだとのこと、当の塗装屋さんは前日YouTubeで勉強してきたから大丈夫と言って作業をし、終わらせたとのこと。
含浸したままと云うことなので当然その後工程である脱泡に関して尋ねてみましたが、一切していないとの回答
とてもとてもナンセンスです。

a∶含浸と脱泡について長くなりますが、説明します。
まず、FRPの含浸とは、FRP成形において、樹脂を繊維(ガラス繊維など)に浸透させることです。この含浸は、FRPの強度や耐久性を向上させるために重要な工程です。FRPの含浸の重要性として箇条書きします。
 樹脂が繊維に均一に浸透することで、より強固な複合材料が作られ強度が向上します。
 含浸が十分に行われることで、樹脂と繊維の間に隙間がなくなり、密度が高まり耐久性が向上します。
 含浸のコントロール(樹脂の塗布量)が重要で、品質のばらつきを減らすことができ、品質が安定します。
 FRPの含浸は、高品質な製品を製造するために非常に重要な工程です。含浸の質がFRP製品の強度や耐久性に大きく影響するため、適切な方法と注意を払って含浸作業を行うことが重要です。
そして含浸の後に行う脱泡について説明します。

FRPの脱泡とは、FRP製品の品質や強度を向上させるために必要な工程で、積層した樹脂やマットの中に含まれる気泡を抜く作業を指します。
 気泡はFRP製品の強度を低下させる原因となります。脱泡することで、製品の強度を向上させ、耐久性を高めることができ品質が向上します。
 気泡が残っていると、製品の表面に凹凸が生じ、外観を損ねることがあります。脱泡することで、表面を平滑にし、より美観性の高い製品にすることができ外観の向上に繋がります。
 FRPは防水材料としても使われます。気泡があると、防水性を損なう可能性があります。脱泡することで、防水性能を高めることができ防水性が向上します。

と、以上の事を説明したものの僕たちは塗装屋さんの指示に従って手伝いをしただけなのでと…┐⁠(⁠ ̄⁠▽⁠⁠ ̄⁠)⁠┌

独立する前に勤めていた会社と協力関係にあり、当時それなりのFRP施工を手伝っていて、施工手順がおかしいと感じたのなら、なぜ一言、『脱泡』と云う言葉が分からなくても樹脂を塗っただけはおかしいと言えなかったのか、とても残念でありません。

そもそも、どういった流れで知識のない塗装屋さんが請け負うことになったのか…勝手な考察ではありますが
お施主さんは防食の重要性は承知の上で、予算がなく、とりあえず安価で済ませるために建設会社に無理を言いそうなってしまったのか?
お施主さんはまともな防食工事を希望していたのに、建設会社として防食工事の知識はあるものの、予算が合わず勝手にそうしてしまったのか?それとも知識がなくやってあればいい程度で済ませてしまったか?理解に苦しみます。
そしてまだこんな施工が、このご時世にまかり通っていることに憤りを覚えますが、これが現実なのかもしれません。
今回例に出したこの施工は、はっきり言って防食にはなっておらず、時間が経てば槽としての意味も無くなり漏れる事は必至、そして中に入る物によっては土壌汚染に繋がりかねません。

当社としましては、行政の定める仕様に合わせた施工は勿論ですが、槽に入る物に合わせつつ予算に合わせた提案·施工をさせて頂きます。
知識と実績と技術のある、ある意味FRPに関してnerd(笑)な当社にお任せください。

長い文章でしたが、最後まで読んで頂き
ありがとうございました。

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